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特定外来生物「ツマアカスズメバチ」の働き蜂と営巣を福岡県内で確認

2022.08.19
トピックス

久山町の養蜂場で確認された「ツマアカスズメバチ」

  •  「ツマアカスズメバチ」は、日本本土への定着を阻止しなければいけない危険な外来種として特定外来生物に指定されています。
  •  「ツマアカスズメバチ」の働き蜂を福岡県内の久山町と篠栗町の計6カ所で50匹以上発見すると同時に、「ツマアカスズメバチ」の巣が2ないしは3個存在することを確認しました。
  •  このままでは、九州本土への定着が確実なものになるため、速やかに「ツマアカスズメバチ」の巣の駆除・撲滅を実施する必要があります。本調査結果は、駆除・撲滅を効果的に進めていく上で重要な情報を提供し、「ツマアカスズメバチ」の日本への定着阻止に貢献する成果となります。
 

 九州大学大学院農学研究院生物的防除研究施設の上野高敏准教授は、特定外来生物に指定されている「ツマアカスズメバチ」に関する調査を行ってきました。

 今回、福岡県内の久山町と篠栗町の計6カ所において、「ツマアカスズメバチ」の働き蜂を、延べ50匹以上、確認しました。この調査結果は、外来スズメバチが福岡に完全定着する一歩手前の段階にあり、早急な対応が必要であることを意味します。定着阻止のために重要なことは、発見した働き蜂の個体数ではなく、巣の数とその営巣場所を特定することです。そこで、さらに営巣場所を特定する調査も実施しました。その結果、「ツマアカスズメバチ」の巣の数は、2ないしは3個存在することを推定しました。

 巣の駆除が、定着阻止のカギとなりますので、今後は営巣場所の特定を進めていきます。また、関連する行政機関とも連携し、ツマアカスズメバチを根絶すべく行動していきます。

篠栗町で誘引剤に飛来した個体。調査では複数の手段を用いてツマアカスズメバチの探索を行っており、画像の個体はスズメバチ類が好む誘引剤を用いた調査において確認したもの。

セイヨウミツバチを捕獲したツマアカスズメバチ。「ツマアカスズメバチ」は 捕食者として様々な獲物を狩るが、特にミツバチ類を好みのターゲットとする。

お問い合わせ

九州大学 大学院農学研究院 准教授 上野高敏
電話:092-802-4579
Mail:ueno★grt.kyushu-u.ac.jp
※メールアドレスの★を@に変更してください。