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生体防御医学研究所の 増田 隆博 教授が「日本学術振興会賞」受賞者に決定しました。「日本学術振興会賞」は、我が国の学術研究の水準を世界のトップレベルにおいて発展させるために、創造性に富み優れた研究能力を有する若手研究者を早い段階から顕彰しその研究意欲を高め研究の発展を支援していく目的で、平成16年度に創設された賞です。
脳内マクロファージの統合的理解に向けた多角的研究
増田隆博氏は、ミクログリアなどの脳内マクロファージの統合的理解に向けた研究に、最新のシングルセルトランスクリプトーム解析やFate-mappingの手法を駆使して取り組み、ミクログリアの時空間的な多様性や可塑性を明らかにするなど、卓越した成果を残している。マウスモデルの解析のみでなく、多発性硬化症や脳腫瘍患者の脳からミクログリアを分取し、その遺伝子発現を解析することで疾患特異的な亜集団の同定に成功するなど、中枢神経疾患領域の研究者に大きなインパクトを与えた。ミクログリア機能の正確な解析を可能とする細胞操作ツールを独自に開発するなど、研究ツールの開発においても先駆的な役割を果たしており、その技術を当該領域の研究者に提供することで領域の発展に大きく貢献した。このように増田氏は、我が国を代表する若手研究者であり、その研究は独創性が高く、創造性をもち、将来、神経科学分野で世界的リーダーの一人になることが期待される。
関連リンク:日本学術振興会賞 (jsps.go.jp)