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2024年7月10日(水)、福岡アメリカンセンター(福岡市中央区天神)において、日米韓3か国による沿岸・海洋保全に関するイニシアティブのキックオフワークショップが開催されました。2023年にアメリカ・キャンプデービッドにおいて開催された日米韓首脳会談をきっかけに、在福岡米国領事館、駐福岡韓国総領事館、対馬市、そして九州大学が連携し、ここ九州・福岡を起点として大学生を主体とした活動がスタートすることとなりました。このイニシアティブのゴールとして、海洋環境の専門知識を身につけた次世代リーダーの育成、そして学生が共同で世界の海洋問題に対する解決策を提案していくことが挙げられています。九州大学と対馬市との間では2024年5月に包括連携協定を締結しており、今後、様々な形での連携が期待できます。
ワークショップには本学の学生約20名を含む合計約40名の学生が参加しました。また、オブザーバーとして、チュカ・アシーケ在福岡米国領事館首席領事、比田勝尚喜対馬市長らが参加しました。
ワークショップは本学のローレンス・ヨハン副学長(国際担当)および許斐ナタリー副理事(国際担当)による司会・進行のもと、在福岡米国領事館のストレイダー・ペイトン広報担当領事による開会挨拶から始まり、続けて4名のスピーカーがフラッシュトーク(プレゼンテーション)を行いました。海洋ごみ問題やマイクロプラスチックに関する取組みなどの話題提供がなされ、参加学生は真剣に耳を傾けていました。その後、学生は5つのグループに分かれて海洋環境問題の解決策を提案発表するためのグループワークを行いました。
フラッシュトーク登壇者
各グループによる3分間のピッチ発表では、グループワークで作成したスライドを用いて海洋環境問題の解決に向けた自由で革新的なアイデアが提示され、審査員を務めたフラッシュトーク登壇者からはどの発表に対しても優れた提案であると高評価のコメントが寄せられました。なお、最優秀ピッチに選ばれたチームにはパタゴニアから賞品としてパタゴニア製のバッグが贈られました。
ワークショップの翌日には、同じく天神のアクロス福岡において「日米韓海洋環境シンポジウム2024」が開催されました。ワークショップは、このシンポジウムの開催と連動して実施されたものです。シンポジウムでは3か国の海洋環境に関する専門家・関係者が一堂に会し、海洋環境の保護と持続可能な取組みの推進に向けたディスカッションおよび共同メッセージの発表がなされました。本学からは、工学研究院の清野聡子准教授が登壇し、これまでの現地調査等に基づいた対馬の漂着物の現状・対応に関する発表がなされました。
本学は、長期ビジョン「VISION 2030」において「総合知で社会変革を牽引する大学」となることを掲げています。今後、この取組みにおいては、大学が所在する九州・福岡というフィールドを基盤としながら、本学の学生・研究者をはじめ多様なステークホルダーを巻き込みながら、世界的な海洋環境問題の解決に向けて取り組んでいきます。