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松井利郎教授が紫綬褒章を受章

2025.04.28
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農学研究院の松井利郎(まつい としろう)教授が、令和7年春の紫綬褒章を受章しました。

松井教授は、九州大学農学部助手、助教授、准教授を経て、平成23年4月に本学大学院農学研究院教授に昇任しました。平成30年11月から五感応用デバイス研究開発センターのセンター長も兼務し、令和4年4月から公益社団法人 日本食品科学工学会の会長も務めています。

松井教授は、生活習慣に関わる疾病に対する予防や改善を可能とし、かつ食品風味を損なわない機能性ペプチド素材の開発方法を発明し、未病段階で疾病改善作用を示す機能性食品の創製において先駆的成果を上げました。

従来では両立が難しかった”風味”と”機能性”を兼備した、タンパク質由来の血圧調節ペプチドを開発するため、新たな樹脂吸着・脱着法を発明し、消費者庁認可特定保健用食品市場を席巻する成果を上げています。さらに、関与成分であるペプチドの生体利用性(バイオアベイラビリティー)を明らかにするために、極微量の生体試料での検出を可能とする誘導体化分析法を構築し、食品因子の生体での利用特性を網羅的に解明できる革新的発明をしました。これにより、摂取したペプチドや他の食品因子の生体内での質的・量的把握や分布の可視化が可能となり、多成分混合系である食品の健康ポテンシャルをより深く評価できるようになりました。

今後は生活習慣と関連する様々な疾病、特に認知症の予防や改善に資する食品因子の社会実装を見込むなど、国民生活や健康の向上に多大な貢献を果たしたことなどが高く評価されました。