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2025年8月6日、九州大学伊都キャンパス・椎木講堂コンサートホールにて、マレーシア元首相マハティール・ビン・モハマド氏を迎えた特別講演会が開催されました。本講演会は、同氏への「九州大学名誉博士号」授与を記念して行われたものです。
マハティール氏は、マレーシアの高度経済成長を牽引し、ASEAN諸国を中心に国際的な影響力を持つリーダーとして知られています。九州大学には2013年に水素関連施設を訪問するなど、継続的な関心を寄せており、今回の名誉博士号授与に至りました。
講演では、100歳を迎える同氏が長年の経験を踏まえ、特に若い世代に向けて平和の重要性とその推進に向けたメッセージを語りました。会場には本学学生・教職員、一般市民など約450名が集まり、熱心に耳を傾けました。講演後には対話型セッションも行われ、活発な意見交換がなされました。
講演会の様子
対話型セッション(Q&A)
マハティール氏の講演に先立ち、大学生・高校生らによるパネルディスカッションが開催されました。登壇者は以下の通りです:
本講演会の共催機関である「日本の次世代リーダー養成塾」は、福岡県などの自治体、経済界が支援するサマースクールで、全国から集まった高校生約150名が参加しています。講演会では、同塾の選抜チームによる英語発表と、それに対するパネリストの応答を通じて「争いのない未来」について議論が交わされました。
本学のマレーシア人留学生であるNurlisaさんからは、友好・友情、そして相互理解を深めるためには、特に早い段階での教育が重要であるとの意見が寄せられました。また、学部3年次にマレーシア・マラヤ大学への交換留学を経験した野中さんからは、高校時代のアメリカ留学の経験も踏まえ、多文化共生の重要性が語られました。さらに、川原氏からは、現在も継続しているアフリカでの活動に加え、九州大学への今後の期待についても発言がありました。
パネルディスカッションの様子
マハティール氏との記念写真 (中央:Nurlisaさん、右:野中さん)
講演会に引き続き名誉博士号授与式を執り行い、九州大学はマハティール氏に名誉博士号を授与しました。授与式では同氏より、本学とマレーシアとの良好な関係や水素研究などへの期待を述べるとともに、友好の証として図書の寄贈も行われました。
名誉博士号授与
マハティール氏より図書寄贈
講演会当日の午前、マハティール氏は「水素エネルギー国際研究センター」を視察。佐々木 一成センター長/研究推進:脱炭素、産学官連携・知財担当副学長による説明のほか、マレーシア人留学生との懇談や水素燃料電池自動車の試乗も行われました。また、石橋総長ら執行部との昼食懇談会も開催され、九州大学とマレーシアの交流について和やかな雰囲気の中で意見交換が行われました。
水素ステーション前にて(右:佐々木センター長)
昼食懇談会での記念写真
九州大学は、これまでマレーシアとの間で多様な連携を築いてきました。以下は、そのうち近年における代表的な取り組みです:
今回の講演会は、こうしたマレーシアとの交流の歴史を振り返るとともに、今後のさらなる連携の可能性を示す貴重な機会となりました。
九州大学は、長期ビジョン「VISION 2030」に基づき、グローバルに活躍できる価値創造人材の育成を目指しています。今後も、多様な能力と価値観を持つ人材の育成に向けて、研究教育のさらなる推進に取り組んでまいります。
当日の様子はアーカイブ動画としてご覧いただけます。ぜひ記事とあわせてご視聴ください。
国際部国際企画課国際連携係(講演会担当)
intlsenryaku★jimu.kyushu-u.ac.jp
総務部総務課総務管理係(名誉博士号担当)
syssomu2★jimu.kyushu-u.ac.jp
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