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第14回 国際日本語ディベート合宿講座・大会で九大生が活躍

2025.09.17
トピックス

8月20日(水)から24日(日)までの5日間に渡り「国際日本語ディベート合宿講座・大会」が開催され、九大生が活躍しました。
本合宿講座は、海外の日本語学習者と日本語母語話者が協働してディベートの方法を学び、同時に国際親善を深めることを目的としています。14年目となる今年は、自然豊かな大分県九重町にある合宿施設「山の家」を舞台に、東アジア(韓国・台湾)と日本の大学から学生・教員約40名が参加し、4泊5日のプログラムを共にしました。

<参加大学> 大分大学、大阪大学、九州大学、熊本大学、静岡大学、西南学院大学、筑紫女学園大学、カトリック大学(韓国)、東国大学WISEキャンパス(韓国)、建国大学(韓国)、釜山外国語大学(韓国)、国立陽明交通大学(台湾)

また、海外から上條純恵先生(国立陽明交通大学)、諏訪昭宏先生(釜山外国語大学)が合宿の準備・運営に携わり、学生と共に来日されました。

ディベート講座と合宿生活

ディベートは外国語教育の有効な手段としても知られています。本講座では、まず日本語母語話者と学習者が机を並べ、講師の上土井宏太助教(熊本大学)からディベートの基礎理論を学びました。その後、学習した内容をもとに、両者が協力しながら試合準備を進め、合宿の最終日に大会(試合)本番に臨みました。

今年の論題は「日本政府は、16歳未満のSNS利用を禁止すべきである。是か非か。」でした。

参加学生たちは、本プログラム最大の特徴である「合宿」で寝食を共にし、5日間のディベート活動を通じて、母語や文化の違いを超えて互いに学び合い、教え合う貴重な経験を積むことができました。これは、親睦を深めると同時に、日本語によるコミュニケーション能力と思考力を養う絶好の場ともなりました。

また、ディベート活動以外にも、BBQやゲーム、温泉散策、スポーツなどを通じて交流を深め、参加者は合宿生活を大いに楽しんでいました。

参加者の学生たちは、この5日間、本プログラムの特徴でもある「合宿」という寝食を共にしながらディベート活動を行う過程を通して、母語や文化の違いを超え、お互いに学び、お互いに教え合う経験ができたようです。そして、親睦を深め、日本語やコミュニケーション能力、そして思考力を養う場ともなったようです。また、ディベート活動だけでなく、BBQやゲーム、温泉散策、スポーツ等々、合宿生活を楽しめたようです。日本や海外からの参加者のメッセージの一部を紹介します(文章は一部編集)。

参加学生の声

合宿前・合宿中の講義でもディベートへの学びを深め、論理性のある文章の書き方、班のみんなとチームワークを発揮して、物事を完成させるためのプロセス、他国の人とのコミュニケーションを学んだ。(九州大学学生)

人と関わることにおいて重要なのは、どれだけその言語が話せるかではなく、どれだけその言語を用いて自分の意思を伝えたいかだと学んだ。日本語学習者は、話したいことを翻訳やボディーランゲージを用いて伝えようとし、日本語話者も学習者が理解しやすい単語やスピードで話すことを学んだ。(九州大学学生)

英語やその他の言語を話せたら(相手の言語に寄り添って譲歩すれば)、もっと上手く伝わるのかもしれないと考えることもありました。外国語で、意味のある言葉を人に伝えたいと思えた初めての経験でした。(九州大学学生)

何より大会の準備過程でいろんな国から来た学生たちとチームを組んで交流しながら多様な文化的思考に接することができたし、自然に日本語で対話する機会を持つことができたのが一番貴重な経験でした。(海外から参加した学生)

ディベートを通じて、どのような問題にも長所と短所が共存している、両面性があることに気づき、以前より、物事をより前向きな視点で捉えようという心構えを持つようになりました。 (海外から参加した学生)

大会結果

合宿最終日の大会では、各チームが予選3試合(肯定・否定を各1回、3試合目は戦績により決定)に臨み、3戦全勝のDチームとFチームが決勝戦に進出。接戦の結果、肯定側となったDチームが見事勝利を収めました。

併せて、予選3試合の結果に基づく個人賞も発表されました。各賞の受賞者は以下の通りです。(敬称略)

優勝:Dチーム

  • 石原優姫(Ishihara Yui)さん(九州大学)
  • 得丸くるみ(Tokumaru Kurumi)さん(大分大学)
  • 蔡佩憫(TSAI PEI-MIN)さん(國立陽明交通大学)
  • 孫熙敃(SON HUIMIN)さん(釜山外国語大学)

準優勝:Fチーム

  • 山口咲楽(Yamaguchi Sakura)さん(九州大学)
  • 有馬芽琉(Arima Meru)さん(熊本大学)
  • 李峻煒(LI JUN WEI)さん(國立陽明交通大学)
  • 朴相玟(PARK SANGMIN)さん(釜山外国語大学)

優勝したDチーム

準優勝のFチーム

個人賞
 <日本語学習者部門>
 最優秀ディベーター

  • 孔池源(GONG JIWON)さん(釜山外国語大学)

 優秀ディベーター

  • 朴相玟(PARK SANGMIN)さん(釜山外国語大学)
  • 翁吟青(Wong Yincing)さん(九州大学)

 <日本語母語話者部門>
 最優秀ディベーター

  • 石原優姫(Ishihara Yui)さん(九州大学)

 優秀ディベーター

  • 土江 舞奈(Tsuchie Mana)さん(大分大学)
  • 得丸くるみ(Tokumaru Kurumi)さん(大分大学)
  • 山口凌平(Yamaguchi Ryohei)(九州大学)

日本語学習者部門

最優秀ディベーター

優秀ディベーター

優秀ディベーター

日本語母語話者部門

最優秀ディベーター

優秀ディベーター

優秀ディベーター

優秀ディベーター

本合宿講座は、ISTDディベート教育国際研究会・JDA日本ディベート協会九州支部が主催し、九州大学大学院言語文化研究院が共催しました。
本講座やその他のディベート活動に関するお問い合わせは、九州大学言語文化研究院ディベート教育支援グループ(debate[at]flc.kyushu-u.ac.jp)までメールでお願いします。

場所:九州大学 山の家
講師:上土井宏太(熊本大学)
実行委員長:諏訪昭宏(釜山外国語大学)
論題:「日本は小学校、中学校、高等学校の全ての宿題を禁止すべきである。是か非か。」
日本語母語話者と学習者が日本語ディベートを協働学習する合宿講座。
受講学生35名、指導教員、ジャッジ等、総勢41名(オンライン参加のジャッジを含む)が参加。

九州大学生は基幹教育オープン科目「国際日本語ディベート合宿講座」(担当:ハーン言語文化研究院准教授)の単位取得が可能です。