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Topics トピックス

九州大学とスウェーデンとの学術連携が深化

カロリンスカ研究所との部局間学生交流協定を締結 2026.09.29
トピックス

九州大学は、2020年に開設したストックホルム・リエゾンオフィス(欧州拠点)を活用し、欧州の大学・研究機関とのネットワーク形成を進めてきました。また、国際大学コンソーシアム「MIRAI」(日スウェーデン)、「RENKEI」(日英)をはじめとする欧州との様々な枠組みを通じて、研究者交流、学術連携、若手研究者育成を継続的に推進しています。

このたび、こうした取組みの成果の一つとして、本学医学系学府・医学部(保健学専攻・学科)とスウェーデンのカロリンスカ研究所との間で、部局間学生交流協定を締結しました。本学がカロリンスカ研究所との協定を締結するのは、これが初めてです。カロリンスカ研究所(Karolinska Institutet)は、世界を代表する医科大学・研究機関の一つであり、ノーベル生理学・医学賞の選考機関としても知られています。

本協定により、両機関における協力関係をさらに発展させるとともに、学生および教員の交流を促進し、国際的な人材育成と研究活動の活性化を図ることが期待されます。本記事では、保健学科とカロリンスカ研究所との交流がどのように始まり、協定締結へと発展したのか、その歩みを振り返ります。

カロリンスカ研究所との交流の歩み

2022年10月 本学学生の欧州派遣に向けた検討・協議を開始

本学医学部保健学科検査技術科学専攻では、将来の臨床検査学を担う人材の育成を目指し、国際的な視野を備えた臨床検査技師の養成に取り組んでいます。新型コロナウイルス感染症への対応に象徴されるように、医療や検査技術を取り巻く課題はますますグローバル化しており、国境を越えて活躍できる人材の育成が重要となっています。

一方で、臨床検査技師の養成制度は国ごとに大きく異なります。大学の学部教育として臨床検査技師を育成している国や地域は限られているため、学生交流を実施するうえで適切なカウンターパート機関を見つけることは容易ではありませんでした。

こうした課題を踏まえ、保健学科では臨床検査技師教育における国際交流の実現に向け、海外パートナー校の検討を開始しました。その過程で、スウェーデンのカロリンスカ研究所が本学の教育内容や専門分野との親和性を有する有力な候補であることが分かりました。そこで、保健学科教員とストックホルム・リエゾンオフィスが連携し、カロリンスカ研究所臨床検査医学講座との交流に向けた協議をスタートさせました。

2023年9月 本学教員のカロリンスカ研究所への渡航

交流の具体化に向けて、重藤寛史教授と勝田仁教授がカロリンスカ研究所を訪問し、学生交流の実現に向けた予備調査と協議を行いました。

滞在中は、研究室や大学病院などの施設を視察し、臨床検査技師を取り巻く教育・医療環境について理解を深めるとともに、将来的な学生研修プログラムの実施に向けた意見交換を行いました。また、教員との交流を通じて、両機関の教育内容や人材育成の方向性について議論を重ねました。

その結果、臨床検査技師養成に関する教育制度や専門分野に多くの共通点があることが確認され、学生交流を推進するための土台が築かれました。この訪問は、その後の学生派遣や教員交流、さらには今回の協定締結へとつながる重要な第一歩となりました。

2024~2025年 本学学生の現地派遣

2023年の教員訪問で築かれた関係を基盤として、2024年および2025年には試行的な学生派遣プログラムを実施しました。2年間で計6名の学生がカロリンスカ研究所を訪問し、研究室見学のほか、教育および臨床現場での見学・研修活動に参加しました。

現地では、日本とは異なる医療制度や教育システムに触れるとともに、臨床検査技師に求められる役割や専門性について理解を深めました。また、現地の学生や教職員との交流を通じて、グローバルな視点から医療や研究を考える機会を得ました。

これらの派遣は、本学学生にとって貴重な学びの機会となっただけでなく、両機関における学生交流の可能性を検証する機会ともなり、その後の交流拡大に向けた重要なステップとなりました。

カロリンスカ研究所教員の来学(2026年4月)

これまでの交流をさらに発展させるため、2026年4月には、カロリンスカ研究所臨床検査医学講座の Veronika Tillander 氏(Lecturer)および Karin Bouma 氏(Assistant Senior Lecturer)が本学を訪問しました。

本訪問は、双方向の学生交流の本格化を見据え、双方の研究教育内容や研究・実習環境、学生生活などへの理解を深めることを目的として実施されたものです。

滞在中には、保健学科教員との意見交換に加え、九州大学病院検査部や放射線部の視察、保健学科における実習見学などが行われ、本学の教育体制や研究教育環境について理解を深めていただきました。また、学生交流の運営方法や今後の協力の可能性についても活発な議論が行われました。

さらに、伊都キャンパスや太宰府天満宮の訪問を通じて、本学の教育環境や地域の魅力、日本文化への理解を深める機会も設けられました。

こうした継続的な交流を重ねる中で、両機関の教員間には強い信頼関係が築かれました。保健学科による主体的な取組みと、ストックホルム・リエゾンオフィスによるネットワーク形成・支援が相乗的に機能した結果、双方が有する専門性や研究教育環境を活かした継続的な協力体制の構築に至り、今回の部局間学生交流協定の締結が実現しました。

今後の展望

今回締結した部局間学生交流協定は、学生派遣や教員交流などを通じて積み重ねてきた協力関係を、より発展的かつ継続的なものへと発展させるための新たな一歩となります。今後は、学生交流や教員交流、共同研究などを通じた連携のさらなる発展が期待されています。

また、本協定は、ストックホルム・リエゾンオフィスを活用して継続的に築いてきたネットワークの成果であると同時に、保健学科教員による主体的な国際交流活動の積み重ねが結実した取組みでもあります。こうした連携を通じて、国際共同研究教育の推進やグローバルな視野を持つ人材の育成、さらには研究力の向上につながることが期待されます。

今回の協定締結は、本学における対スウェーデン・対欧州連携を象徴する取組みの一つとなりました。九州大学では今後も、各研究院ならびに学府・学部と協働しながら、海外大学・研究機関との連携をさらに深化させ、世界トップレベルの研究教育活動の推進と国際的な人材育成に取り組んでまいります。

お問い合わせ

病院キャンパス国際推進室
Mail:suishin-byo★jimu.kyushu-u.ac.jp

ストックホルム・リエゾンオフィス(欧州拠点)
Mail:intleurope★jimu.kyushu-u.ac.jp

※メールアドレスの★を@に変更してください。