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小江誠司教授の研究成果がScience誌に掲載

2013.02.12
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   本学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 (I2CNER)/工学研究院の小江 誠司 教授は,一般財団法人総合科学研究機構及び国立大学法人茨城大学の研究グループとの共同研究により,自然界に存在する水素活性化酵素「ニッケル-鉄ヒドロゲナーゼ」をモデル(模範)として,同様の働きをする新しいニッケル-鉄触媒を開発しました。そして,この触媒を用いて,常温常圧で水素から電子が取り出せることを示しました。
 これまで,自然界の酵素をモデルとすることで,安全・高性能・低コストである人工触媒の開発が多く試みられてきました。これまでの最良の機能モデルは,2007年に九州大学の同研究グループが開発したもので,「鉄」ではなく貴金属である「ルテニウム」を使用したニッケル-ルテニウム触媒でした。今回,ルテニウム(240円/g)の代わりに,約1/4000の価格の鉄(0.06円/g)を使用した系での水素の活性化に初めて成功し,学術的な価値だけでなく,今後の燃料電池用の触媒などへの応用を考えると画期的な進歩といえます。

 

 本研究成果は,国際学術雑誌「Science」2013年2月8日(金)版に掲載されました。
 
論文名 :A Functional [NiFe]Hydrogenase Mimic that Catalyzes Electron and Hydride Transfer from H2
雑誌名 :Science  ※掲載ページはこちら

 

 ◆プレスリリース(PDFが開きます。)

 

【写真・画像】
(上)研究成果について説明する小江教授
(下)ニッケル-鉄触媒の結晶構造