京都賞は,科学や文明の発展,また人類の精神的深化・高揚に著しく貢献した方々の功績を讃える国際賞ですが,今回,第27回(2011年)京都賞受賞者のジョン・ワーナー・カーン博士(米国国立標準技術研究所名誉上級研究員,ワシントン大学客員教授)を迎えて,福岡での初の京都賞シンポジウム開催となりました。
「ものづくりの科学と探究する心-新しい合金への道-」と題したシンポジウムには,福岡県内の高校生をはじめ約420人が参加しました。主催者を代表し,落合英俊 理事の挨拶,巌佐 庸 高等研究院長によるカーン博士の紹介の後,カーン博士の記念講演が行われました。
カーン博士は,科学者としてのご自身のこれまでのキャリアやご専門の材料工学について講演されましたが,高校生に対し「皆さんには,まず自ら学ぶことを学んでほしい。そして,これからの人生で,たとえ躓いたとしても,そのことは次の成功への機会を得たことであり,是非自分の持っている知識を信じて問題に立ち向かってほしい」とメッセージを送り,講演を締めくくりました。
その後,カーン博士は,伊都キャンパスを視察され,水素材料先端科学研究センター(HYDROGENIUS)では,村上敬宜教授から水素の研究について説明を受けられ,その後,超高圧電子顕微鏡棟に移動し,松村 晶教授の案内により施設を視察されました。
【写真】
(上)講演会でのカーン博士
(中)講演後の質疑応答で高校生からの質問に答えるカーン博士。
(下)ロビーではポスター展示もあり,多くの高校生らで賑わいました。
(広報室)