Notices お知らせ

BlueMemeと九州大学、ネットワークAI統計解析の共同研究部門を設立

新技術「ネットワークAI統計」の社会実装を目指す 2023.10.17
お知らせ

株式会社BlueMeme(ブルーミーム、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:松岡 真功、 以下 BlueMeme)と国立大学法人九州大学(所在地:福岡県福岡市、総長:石橋 達朗、以下 九州大学)は、2023年10月1日、九州大学生体防御医学研究所に、共同研究の拠点として「ネットワークAI統計解析共同研究部門」を設立いたしました。また同日、BlueMeme代表取締役社長 松岡 真功が、新設された本部門において民間等共同研究員として受け入れられ、客員教授の称号を付与されました。

BlueMemeは、以前から同大学生体防御医学研究所附属高深度オミクスサイエンスセンター バイオメディカル情報解析分野(教授:長﨑 正朗)と、量子AIを活用した大規模言語モデル構築に関する共同研究に取り組んでおり、この度の新部門の設立は同研究のさらなる進展に寄与するものです。

近年、AIの進化は著しく、ChatGPTなど画期的な技術が登場し、企業や自治体にも浸透しつつあります。しかし一般的なAIとされる機械学習は、空港ネットワークやソーシャルネットワークのようなネットワーク構造のデータを予測することはできるものの、予測に対する解釈や説明は苦手とされています。一方、本部門で研究と社会実装を行うネットワーク統計学(i)は、ネットワーク構造を統計的な枠組みで客観的に解釈し、その中での特徴量を統計量として抽出、判定を行うことが可能となります。

ネットワーク構造は、様々な分野で見られ、例えば、バイオインフォマティクス(ii)の分野では、細胞コミュニケーションや脳のMRIなどはひとつのネットワークとしてとらえることができます。それらのネットワーク構造を統計的な枠組みで客観的に解釈、抽出および判定することで、がんやその他の疾患における細胞コミュニケーションの破綻の原因の探索や判定、脳のネットワーク制御の統計解析による脳の老化の早期診断技術の開発などが可能となります。

本部門では、AIとネットワーク統計の両者の強みを相補的に活用した、解析基盤の構築を目指します。AI解析技術はデータを予測する能力に優れ、ネットワーク統計学はネットワーク構造のデータを統計的に解釈する能力に長けています。この両者を大規模なコンピューターリソース上で相補的に活用しながら、実社会でのバイオメディカル(ⅲ)分野における、さまざまなネットワークAI統計解析技術の研究開発に取り組み、革新的な分析技術の創出を通じて社会への貢献を進めていきます。また、これらの成果を積極的に、社会基盤として技術導出していきます。

用語解説

ⅰ:ネットワーク統計学:グラフ理論、統計学、データ解析の数学的要素を組み合わせて、ノード(要素)とエッジ(接続)から成るネットワークの構造やダイナミクスを理解し、解析する学問。ソーシャルネットワーク、物流、脳の神経回路、タンパク質相互作用ネットワークなど、さまざまな領域が適用対象。

ⅱ:バイオインフォマティクス:情報技術と統計学を駆使してDNA、RNA、タンパク質などの生物学的データを解析し、生物学的な理解を深めるための分野。

ⅲ:バイオメディカル:生物学と医学の知識を結びつけ、医療の向上と疾患の理解に焦点を当てる多様な分野。分子生物学やMRIなどのイメージング技術の情報を活用し、新しい治療法、医療機器の開発、臨床研究などに寄与する。

お問い合わせ

BlueMeme(ブルーミーム)グループ広報事務局 
担当:押山、上原
TEL:0570-080-016  E-mail:webmk@bluememe.jp