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九州大学でモバイル運転免許証時代の新たなユースケースの開発・検証を実施

モバイル運転免許証、UWB/BLEで まだ見ぬ「クルマウォレット連携」の世界へ 2025.03.25
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九州大学大学院システム情報科学研究院の人間情報システム研究グループ(荒川・峯・福嶋 研究室)とトヨタ・コニック・アルファ株式会社は、モバイル運転免許証(mDL: mobile Driver's License)、超広帯域通信(UWB: Ultra Wide Band)、低消費電力通信(BLE:Bluetooth Low Energy)を活用した「クルマウォレット連携」のフィールド実証を、九州大学伊都キャンパス内のクローズド環境において3月後半に実施いたします。

本実証では、以下を検証します。

  1. UWB/BLEを用いて運転席にいる人物を特定することで「誰がクルマを運転しているか」を正確に把握した上で、mDLで認証し、データの取得・連携を実施します。 
  2. ドライバー本人が自らの情報を管理‧許諾し、必要な情報のみを開示できる仕組みを検証します。 
  3. クルマと関連サービスを連携させることで、到着タイミングに合わせたサービス提供(例:飲食店での調理開始、給油サービスなど)を実現します。

九州大学は本実証を研究分野でサポートするほか、伊都キャンパス内のイーストゾーン駐車場を実証フィールドとして提供。さらに九州大学と組織間連携協定を結び、九州大学の卒業生・在校生が多数参画する株式会社イマーゴが実証実験で使用するUXプロトタイプのデザインと開発を担当。トヨタ・コニック・アルファとの産学連携を積極的に支援しています。

研究者(荒川教授)からひとこと

モバイル運転免許証(mDL)は単にスマートフォン上に免許証を保存するという表面的な変化にとどまらず、社会のデジタル基盤を根本から変革する可能性を秘めています。欧米諸国ではすでにmDLの研究開発が進展しており、日本も国際競争力を維持するためには積極的な研究投資が不可欠です。

特に注目すべきは、データプライバシーの観点です。現在のデジタル環境では、大手テクノロジー企業やサービス提供者がユーザーデータを管理していますが、mDLの普及は「自己主権型データ管理」という新たなパラダイムへの移行も兼ねています。例えば、レンタカーを運転した際のデータも個人として蓄積することができれば、将来、クルマを購入する際の保険の査定に利用することができるわけです。そのためには、ドライバーを正確に識別する必要があり、今回のデモはその第一歩となります。さらに、mDLと決済系で普及が進みつつあるUWB(Ultra Wide Band)通信技術を組み合わせることで、身分証明と決済システムの統合的なデータ連携の可能性を探求しています。

お問い合わせ

九州大学大学院システム情報科学研究院 教授 荒川
電話:092-802-3794
FAX:092-802-3794
Mail:info★arakawa-lab.com
※メールアドレスの★を@に変更してください。