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日本の草資源を活用した完全牧草牛の生産および販売

2025.04.15
お知らせ

 九州大学大学院農学研究院の髙橋秀之准教授、生物資源環境科学府修士課程(研究当時)の村本匠氏らはAddvalue株式会社との取り組みの中で、国産牧草のみで放牧飼養管理した黒毛和種牛の完全牧草牛の販売を開始した。

 近年の畜産では、輸入穀物飼料に依存した生産が中心となっており、不測の事態において日本国内だけでの生産が出来なくなってしまう恐れがある。また、輸入飼料由来の糞尿が日本国内に蓄積することで様々な環境問題が引き起こされている。加えて、国内の消費者動向として赤身肉に対する需要が増加している一方で、和牛のほとんどは霜降り肉を目指した生産が行われており、需要と供給にギャップが生じている現状がある。そこで本研究グループでは、輸入飼料に依存しない国内の草資源をフル活用した飼養管理および消費者需要にあった赤身肉の生産に取り組んできた。今回、本研究グループで取り組んできた国産牧草のみで放牧管理を行った黒毛和牛をAddvalue株式会社の協力を得て販売を行うこととなった。

 販売する黒毛和種牛は生後から広大な草地で放牧を行い、補助飼料として乾草およびサイレージの給与を行った完全なグラスフェッドの和牛である。その肉質は赤身が強くなり、程よい霜降りが入っている(下の写真)。

 この牛肉を扱うAddvalue株式会社は、これまでのA5、A4といった霜降り肉を目指した格付けに縛られない「本当に美味しい牛肉とは何か?」という問いに日々向き合いながら精肉・加工、販売を行っている会社である。福岡市内に「AKAMIYACOWSI」「COWSICAMP」などのレストランを構えており、現在完全牧草牛の提供を行っている。

研究者からひとこと

 今回生産した牛肉は赤身が強く、牛肉本来の味をしっかりと味わえるお肉になっています。また、程よい霜降りも牧草由来のさっぱりとした脂となっている為、いくらでも食べられる飽きのこない牛肉です。
 数量限定のため、無くなり次第提供終了となります。ぜひお早めにご賞味ください。

31か月齢時の去勢牛の枝肉

32か月齢時のメス牛の枝肉

お問い合わせ

九州大学大学院農学研究院 准教授 髙橋 秀之
電話:0974-76-1377
FAX:0974-76-1218
Mail:takahashi.hideyuki.990★m.kyushu-u.ac.jp
※メールアドレスの★を@に変更してください。