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NF155抗体「ヤマサ」EIA、CNTN1抗体「ヤマサ」EIA 体外診断用医薬品製造販売承認取得のお知らせ

九州大学とヤマサ醤油株式会社 診断薬事業部による産学連携の成果 2025.06.03
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 九州大学(福岡県福岡市)とヤマサ醤油株式会社(千葉県銚子市)との共同研究を経て開発された、自己抗体測定キット「NF155抗体「ヤマサ」EIA」及び「CNTN1抗体「ヤマサ」EIA」が2025年5月12日付で体外診断用医薬品として承認されました。本品は、enzyme immunoassay(EIA)法により血清中のneurofascin 155(NF155)抗体あるいはcontanctin 1 (CNTN1)抗体を測定し、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy:CIDP)並びに自己免疫性ノドパチーの診断補助をすることを目的としております。
 承認取得のため、九州大学大学院医学研究院の磯部 紀子 教授、九州大学病院脳神経内科の緒方 英紀 助教らが中心となり、九州大学をはじめとした全国4施設で『IgG4自己抗体陽性慢性炎症性脱髄性多発神経炎に対する抗ニューロファシン155抗体測定用ELISAキット及び抗コンタクチン1抗体測定用 ELISAキットの有用性評価のための多施設共同臨床性能試験』が実施されました。本試験で示された有用性に基づき、ヤマサ醤油株式会社より体外診断用医薬品の製造承認申請を医薬品医療機器総合機構へ提出し、この度の承認に至りました。今後は、日常診療で広く利用可能となるよう、保険適用に関する手続きを進める予定です。

CIDP、自己免疫性ノドパチーについて

自己免疫性ノドパチーについて

 CIDPは、後天性の脱髄性末梢神経障害の代表的疾患で、2ヶ月以上にわたって進行または再発を繰り返す経過をたどり、四肢の筋力低下やしびれ感をきたす末梢神経の疾患です。近年、一部のCIDP症例でNF155抗体やCNTN1抗体が陽性になることが明らかとなりました。治療反応性の違いや自己抗体の存在などから、自己免疫性ノドパチーと命名され、CIDPの類縁疾患として扱われることとなりました。NF155抗体やCNTN1抗体は自己免疫性ノドパチー症例で検出される自己抗体です。

お問い合わせ

九州大学病院 脳神経内科 助教 緒方 英紀
電話:092-642-5340
Mail:ogata.hidenori.565★m.kyushu-u.ac.jp
※メールアドレスの★を@に変更してください。