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九州の島の海のネイチャー・ポジティブ!環境DNA調査の社会実装始まる

自然と共生する、次の「スタンダード」を作る! 2025.10.02
お知らせ

 九州大学大学院工学研究院環境社会部門生態工学研究室(清野聡子准教授)では、ヤンマーホールディングス株式会社(以下、ヤンマーHD)を中心とした、生物多様性に関するプロジェクトのチーム活動として、長崎県壱岐市において、環境DNA調査を開始しました(注)。

<背景>
 長崎県壱岐市の周辺海域では、近年、藻場の減少など、新たな課題に直面しています。藻場は、水生生物の生活や水質の浄化に大きな役割を果たす自然の宝庫であるとともに、魚の赤ちゃんを保育する「海のゆりかご」とも言える存在です。本調査は、藻場再生活動を実践されている一般社団法人マリンハビタット壱岐など、現地の皆様の協力を得て進めていきます。

<意義>
 経験的に認識されていた「豊かな海」の可視化ツールとしての環境DNA調査の可能性を検討していきます。「総合知で社会変革を牽引する大学」を目指す九州大学として、食料生産を支える多様なソリューション力や技術力を有するヤンマーHDと地域創生に関する知見を結集させ、持続的な1次産業モデルの構築を目指します。

(注)プロジェクトには、放送大学教養学部及び鹿児島大学水産学部の教員の方にもご協力いただいております。 

研究者からひとこと

 気候変動で激しい変化に直面する海と共に生きていく地域にとって、生物多様性のモニタリングと活用は、活路のひとつです。沿岸地域の海と陸の現地調査をもとに、環境DNAと科学・社会調査の手法を合わせて、産学官での方法論をつくっていきます。環境DNAについて、研究室では今までは基礎研究とモニタリングを続けてきました。いよいよ九州の沿岸域の生物多様性を活かした社会実装とネイチャーポジティブの動きへと踏み込んでいきます。

環境DNA調査(天然藻場での採水作業)

藻場再生活動の現場

お問い合わせ

工学研究院環境社会部門生態工学研究室 准教授
清野聡子
電話:092-802-3437
FAX:092-802-3437
Mail:seino★civil.kyushu-u.ac.jp
※メールアドレスの★を@に変更してください。