Notices お知らせ
九州大学大学院農学研究院の阿部隼人助教、京都大学フィールド科学教育研究センターの松岡俊将講師、東京大学先端科学技術研究センターの西澤啓太助教らの研究グループは、『人とシカが共生できる社会へ!市民科学で防鹿柵の効果を見える化する』(サイトURL:https://academist-cf.com/projects/407)と題したクラウドファンディングを実施しますのでお知らせします。
本クラウドファンディングは、全国に設置されたシカ防除柵(防鹿柵)の内外の生物多様性と生態系機能を比較する、市民参加型の研究プロジェクトを立ち上げるため実施するものです。募集期間は2025年11月25日~2026年1月19日で、目標金額は150万円です。これにより、最低でも50地点の生態系において、防鹿柵の内外で生物多様性(植生・昆虫・微生物)や土壌機能(炭素貯留など)の比較を目指します。ネクストゴール(目標金額以上のご寄付)達成の場合には、さらに複数の地点での調査や、より詳細な多様性や機能の分析が可能になります。
研究プロジェクトが進展することで、シカの被害や対策効果の実態を全国的に見える化でき、限られた時間・予算の中でも効果的なシカの採食被害防除が可能になります。日本の生態系を守り、人とシカと自然の共生を目指すために、ぜひご支援をお願いいたします。
研究者からひとこと
個体数の増加したニホンジカの植生採食によって、日本の多くの地域で、生物多様性の消失と生態系の荒廃が急速に進んでいます。本研究グループの専門分野の知識や技術を総合し、全国規模の調査を行うことで、シカ問題の解決に向けた新たな道筋を示したいと考えています。皆さんのご支援が、この市民参加型プロジェクトの第一歩になります。(九州大学・阿部隼人)
九州大学宮崎演習林(宮崎県椎葉村)の森林内に設置されたシカ防除柵(防鹿柵)の様子。柵外(画面左側)に対し、柵内(画面右側)では下層植生が保全されていることが分かります。
伊吹山(滋賀県米原市)の草原で実施した市民参加型調査のトライアル試験。多くの方が参加しやすく、かつ質の高いデータを収集するために、現場の意見も取り入れながら、調査手法の設計を進めています。
大学院農学研究院 助教 阿部隼人
電話:092-948-3101
Mail:abehayato★kyudai.jp
※メールアドレスの★を@に変更してください。