Research 研究・産学官民連携

田園環境の保全によるレジリエントな社会の実現

芸術工学研究院 研究紹介

田園環境の保全によるレジリエントな社会の実現

芸術工学研究院 環境デザイン部門
准教授 朝廣 和夫(緑地保全学)

■研究室の使命

「緑地保全学研究室」は、人と自然の関係の中で育まれている都市近郊及び農山村地域における緑地環境を対象としています。緑地の保全のメカニズムを明らかにし、研究、教育、提言、実践を市民・行政・専門家との連携により行うことで、緑地保全のデザイン(計画・設計)を社会に実装することを研究目標としています。

最近の研究テーマは、里地・里山の保全、二次林の生態的研究、災害時の共助による農地復旧に関する研究、バングラデシュにおける屋敷林研究などです。

■平時のボラティア・ツーリズムによる災害時の農業ボランティアの展開

私共は、1997年から福岡県八女市黒木町でボランティアツーリズムによる棚田の石積み等の保全活動をNPO法人山村塾と展開し、運営技術の蓄積、共助コミュニティの形成を進めてきました。2012年には平成24年7月九州北部豪雨で農山村は多大な被害を受け、NPO法人山村塾は、これまでの保全活動ノウハウを生かし、水路や農地の復旧などの農業ボランティア活動を展開しました。このような取り組みは、星野村、うきは市へと広がりその後の災害でも活かされています。

この取り組みは、JST-RISTEXの研究として採択され、農業ボランティアコーディネイター向けの冊子として公開しています。

共助による平時の環境保全活動と災害時の農業ボランティアへの展開

私の活動は、このような農村、被災地を対象に、広葉樹林の育成、半農半アートの研究、海外大学とのデザイン教育での連携などにも力を入れているところです。緑地を空間として捉えながら、社会的に、生態的に、クリエイティブに、様々なアプローチをしたいと考えています。里地・里山のデザインを検討される際は、ぜひ、ご連絡ください。

2017年7月九州北部豪雨で被災した朝倉市志波平榎集落における櫟山見晴台づくり

■参考
JST-RISTEX(コミュニティがつなぐ安全・安心な都市・地域の創造領域)「中山間地水害後の農林地復旧支援モデルに関する研究」
災害後の農地復旧のための共助支援の手引き 

■お問い合わせ先
芸術工学研究院 環境デザイン部門
准教授 朝廣 和夫(緑地保全学)