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世界初!ユニークな音響特性を持つシリカガラス製楽器用ピックを開発

―国際ガラス年2022閉会式をギター演奏で祝福― 2022.12.01
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浮世絵をモチーフとした3D イラストの 微細加工を施したシリカガラス製ピック

 九州大学グローバルイノベーションセンター藤野茂教授は、京都産業大学情報理工学部伊藤慎一郎准教授、池田工業株式会社、湖北工業株式会社と共同で、世界初のシリカガラス製楽器用ピックを開発しました。シリカガラスは光透過性、機械的強度、耐熱性、耐薬品性などの物性において優れており、古代よりツタンカーメンの胸飾りの宝石として利用されていた素材です。藤野教授の研究グループは従来の加工技術では困難な微細形状を容易且つ安価に作製する技術を開発しました。シリカガラスの有する高い剛性、軽量かつ振動減衰が小さいという特性に着目し、楽器用ピックを着想しました。
 シリカガラスは、従来楽器用ピックとして用いられるセルロイド等の樹脂素材に比べ機械的強度や密度が大きいことから、従来品とは異なる煌びやかな高音を持つ音響特性を得ることに成功しました。更にピックメーカーの池田工業株式会社、ガラス製造企業の湖北工業株式会社と共同で音楽アーティスト向けの最終製品への実現に向け開発しました。
 2022年は国連が定める国際ガラス年であります。ガラスが人類の進歩に貢献してきた歴史を振り返るとともに、美しく輝くこの材料の有用性と可能性を再認識するための様々なイベントが世界各地で開催されています。この度、国際ガラス年閉会式(12月8日ー9日)にて浮世絵をモチーフとした3Dイラストの微細加工を施したシリカガラス製ピックを発表します。本閉会式にて国際ガラス年2022を祝福し、世界的に有名なJazz guitarist, Joshua Breakstone, Satoshi Inoue氏を招聘し、世界初のシリカガラス製ギターピックを用いた音楽演奏を行います。
※国際ガラス年閉会式webサイトはこちら

藤野茂教授よりひとこと

 ピック以外にも3Dモデルのデータさえあれば、これまで不可能であった形状やデザインも本手法により実現可能となります。貴方の創造力を機能性ガラスの創製に!

 

国際ガラス年2022記念ピックによる演奏は12月8日(木)16:00以降、QRコード(右)あるいはこちらより試聴可能です。

お問い合わせ

グローバルイノベーションセンター
藤野 茂 教授
電話:092-583-8773
FAX:092-583-8773
Mail:fujino★gic.kyushu-u.ac.jp
※メールアドレスの★を@に変更してください。