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生体防御医学研究所 増田 隆博主幹教授 第7回日本医療研究開発大賞 日本医療研究開発機構 (AMED) 理事長賞を受賞

2025.01.29
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令和7年1月17日(金)、第7回日本医療研究開発大賞の表彰式が総理大臣官邸で行われ、本学生体防御医学研究所 分子神経免疫学分野の増田 隆博主幹教授が第7回日本医療研究開発大賞 日本医療研究開発機構 (AMED) 理事長賞を受賞しました。

日本医療研究開発大賞とは、世界の医療発展に向けて、医療分野の研究開発推進に多大な貢献をした事例への功績を称える目的で創設された賞です。中でも AMED 理事長賞は、若⼿研究者を奨励する観点から顕著な功績があったと認められる事例に送られる賞で、本学からはこれまでに4名が受賞しています。

今回の受賞は、「脳境界マクロファージ」という特殊な免疫細胞を解析し、その細胞特性を世界で初めて明らかにしたという功績によるものです。

脳境界マクロファージとは、脳を覆っている髄膜や血管周囲スペース、脈絡叢といった脳境界領域に存在する特殊な免疫細胞で、その詳細は全く分かっていませんでした。

増田主幹教授は、脳境界マクロファージが、①ミクログリア(脳を構成する細胞の一種)と前駆細胞を同じくする姉妹細胞であること、②脳実質中でミクログリアとは異なる遺伝子的及び機能的な特性を獲得すること、③脳境界領域に定着するプロセス、④胎児から成体に至る幅広いライフステージにおいて脳境界領域に存在することを解明しました。

この研究成果をさらに発展させることで、抑うつや認知機能低下のコントロール、またアルツハイマー病を含む認知症や、自閉スペクトラム症といった脳関連疾患のメカニズム解明及び革新的な治療法開発や創薬に貢献することが期待されます。

授賞式の様子

AMEDの三島理事長(左)と増田主幹教授(右)

集合写真