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9月29日(月)に、2025年度「九州大学安全の日」講演会を開催しました。
本学では、2016年9月に屋久島における授業実施期間中に本学学生が亡くなった事故を受け、事故の記憶を風化させることなく、教育研究活動における安全確保、事故災害の発生防止、安全意識の向上を図るため、10月1日を「九州大学安全の日」に制定しています。
「九州大学安全の日」の取組みの一環として、2017年度から毎年、本学の教職員及び学生を対象に安全の日講演会を開催しています。本年度は「巨大地震に対する知識と心構え」をテーマに、会場とライブ配信によるハイブリッド形式で実施しました。
講演会は、荒殿理事(安全衛生担当)の司会で進められ、講演に先立ち、上記の屋久島での事故、2017年10月に発生した探検部合宿中の事故、及びこれまで本学に関わる事故等で亡くなられた方々に黙とうを捧げた後、石橋総長から、「地震災害の脅威はますます現実味を帯びており、命を守るための正しい知識と災害に備える心構えを持つことは、本学のすべての構成員にとって、極めて重要である。」旨の開会挨拶がありました。
その後、測地学がご専門の西村卓也 京都大学 防災研究所 副所長・教授から、「必ず起こる南海トラフ地震」と題し、南海トラフ地震は災害リスクの観点から国内で最も警戒すべき地震であり、現在の地震学の知見から、将来発生することが確実視されている。日頃からいざというときの備えが重要であること等についてご講演いただきました。
また、松本 聡 九州大学 大学院理学研究院 教授/附属地震火山観測研究センター長から、「突然起こる内陸地震 -九州の地震活動特性-」と題し、九州ではこれからも大きな地震が起こる可能性があるため、個人から社会までいろいろなスケールで備えが必要であること、突然に備えるイメージや配慮が減災につながること等についてご講演いただきました。
さらに、古田理事(危機管理担当)から、「九州大学における地震への備え」と題し、地震発生時の対応及び地震鎮静化後の避難場所や安否確認等の体制、並びに自治体との連携等について報告がありました。
これらの講演・報告を通じ、本学構成員における地震防災に関する知識の習得、防災意識の向上が図られました。
本学では、安全管理や安全教育に関する専門家等による啓発活動を毎年開催し、安全の確保、事故等の発生防止のために、今後も取り組んで参ります。
石橋総長
古田理事(危機管理担当)・事務局長
西村卓也 京都大学 防災研究所 副所長・教授
松本 聡 九州大学 大学院理学研究院・教授/附属地震火山観測研究センター長