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九州大学では、「量子科学と宇宙科学の未踏の領域に挑む新たな研究教育拠点」として、分野横断的な連携を通じて先端的な研究・教育を推進するため、「時空量子連携研究機構」を令和7年10月1日に設置しました。
本機構は、量子科学と宇宙科学という異なる分野の融合を図り、革新的な知の創出を目指すとともに、次世代の研究者育成にも貢献することを目的としています。
このたび、機構の設立にあたり、令和7年10月29日に九州大学椎木講堂大会議室にてキックオフミーティングを開催しました。当日は、機構長・副機構長をはじめ多くの参画教員が一堂に会し、今後の「オール九大」としての活動に向けた共通認識を形成するとともに、連携体制の強化を図る貴重な機会となりました。
また、関係部局長ならびに九大OIP株式会社の大西 晋嗣代表取締役等にもご出席いただき、学内外の連携に向けた期待と意義を共有する場ともなりました。

キックオフミーティングの様子
今後は、研究・教育・社会連携の三本柱を中心に、全学的かつ戦略的な活動を推進していきます。研究面では、シンポジウムやワークショップ、連携セミナーを通じた学際的な交流を活性化し、戦略推進ミーティングを通して、量子と宇宙の連携を目指す新たな研究プロジェクトの創出を進めます。12月にはキックオフシンポジウムを開催し、今後の連携研究の推進を図る予定です。部局の枠組みを越えた「オール九大」のプラットフォームとして、従来の組織体制では得られなかった新しい視点や発想に基づく研究成果の創出を目指します。
さらに、機構の枠組みを生かし、社会連携への取り組みを戦略的に進めます。機構推進戦略室を中心に「量子宇宙技術ロードマップ」を策定し、経済・社会へのインパクトの提示、産官学連携の推進、九州地域との協働強化を通じて、学術研究から産業・イノベーションへとつながる取り組みを、世界も視野に展開していきます。
また、若手研究者の育成も本機構の重要な柱の一つです。博士人材支援事業「K²-SPRING量子ユニット」と連携し、スクールや講演会を共催するとともに、学部教育では新たな基幹教育オープン科目「線形代数からはじめる量子力学」および「九州大学の宇宙戦略A・B・C」を本年度より開講しました。量子と宇宙を横断できる若手人材の育成に向け、今後さらに多様な部局との教育連携を推進していきます。
本機構は、九州大学が掲げる「総合知で社会変革を牽引する大学」の実現に向け、学内外の研究者との連携を深めながら、本学の新たな特色と強みを一層伸ばすための実践として事業を進めます。これらの取り組みを通じて、九州から世界へ向けて新たな潮流を発信し、九州大学発の研究・開発によって優秀な学生を惹きつけ、多様な背景をもつ若手研究者や学生が育ち、新しい研究と連携が次々と芽生える好循環が生まれることを期待しています。
石橋総長・機構長
谷本理事・副学長・副機構長
時空量子連携研究機構 発足記念