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Topics トピックス
ポイント
概要
九州大学最先端有機光エレクトロニクス研究センターのセンター長を務める、大学院工学研究院応用化学部門の安達千波矢主幹教授が、「クラリベイト引用栄誉賞(Clarivate Citation Laureates)」を受賞しました。
安達主幹教授は、熱活性化遅延蛍光(Thermally Activated Delayed Fluorescence:TADF)を用いた有機発光材料の分子設計指針を確立し、希少金属を使用しない高効率有機発光ダイオード(OLED)の実現に道を拓きました。TADFは、蛍光、りん光に続く「第三世代」のOLED発光技術として、世界的に研究開発が進められています。
今回の受賞では、安達主幹教授による先駆的な研究成果と、長年にわたり有機エレクトロニクス分野の発展に与えてきた世界的な影響が高く評価されました。また、OLEDの第二世代の発光技術であるりん光OLEDの開拓に大きく貢献した、ミシガン大学のStephen R. Forrest教授と南カリフォルニア大学のMark E. Thompson教授も、安達主幹教授とともに受賞者に選ばれました。
クラリベイト引用栄誉賞は、学術論文の引用データに基づく定量的な分析と、専門家による定性的な評価を組み合わせ、世界的に顕著な研究成果を挙げた研究者を選出する国際的な賞です。生理学・医学、物理学、化学、経済学の4分野を対象として、2002年から毎年発表されています。これまでの受賞者の中から多数のノーベル賞受賞者が生まれていることから、将来のノーベル賞受賞者を予測する賞としても国際的に注目されています。
今回の受賞は、安達主幹教授がTADFによる高効率発光のための分子設計原理を確立した科学的功績に加え、それを実用的なOLED技術へと発展させ、新たな研究領域と産業技術の可能性を切り拓いた先駆性が評価されたものです。
受賞者の発表は、2026年9月17日(木)15時から、クラリベイトの東京オフィス(東京都港区赤坂)で開催されました。
クラリベイト引用栄誉賞とは
用語解説
(※1)熱活性化遅延蛍光(TADF)
通常は発光に利用しにくい三重項励起状態を、周囲の熱エネルギーを利用して一重項励起状態へ変換し、蛍光として取り出す現象。希少金属を使わずに、電気励起によって生成する励起状態を高い割合で発光に利用できることが特徴です。
(※2)有機発光ダイオード(OLED)
有機半導体材料に電圧をかけ、電子と正孔が再結合する際に生じる励起エネルギーを光として取り出すデバイス。有機ELとも呼ばれ、スマートフォンやテレビなどのディスプレイに広く利用されています。
論文情報
掲載誌:Nature, 2012年12月13日号 (Vol. 492, No. 7428, pp. 234–238)
タイトル:Highly efficient organic light-emitting diodes from delayed fluorescence
著者名:魚山 大樹(第一著者)、安達 千波矢(責任著者/九州大学 最先端有機光エレクトロニクス研究センター〈OPERA〉)ら
DOI:10.1038/nature11687
<研究に関すること>
工学研究院 安達 千波矢 主幹教授
<本賞に関すること>
クラリベイト・アナリティクス・ジャパン株式会社
アカデミア&ガバメント事業部
Mail: marketing.jp@clarivate.com