Notices お知らせ
九州大学附属図書館 春日政治 ・ 和男 文庫所蔵の『 金光明最勝王経 』が、国の重要文化財(美術工芸品)※1に指定される見通しとなりました。本学における重要文化財の指定はこれで3件目となります。
『金光明最勝王経』は仏教経典の漢訳です。本学所蔵本は、本文が奈良時代の書写、訓点※2が平安中期~後期に加点されたものと推定されています。現存する『金光明最勝王経』の訓点本は、国宝の西大寺本以外端本であるため、本学所蔵本は10巻全てを揃えている点で重要です。
『金光明最勝王経』が含まれる春日政治・和男文庫は、本学文学部の国語学・国文学研究室教授として父子二代にわたり日本語史の研究をされた、春日政治・和男両博士の旧蔵書群です。国語国文を中心とする貴重なコレクションで、2013年に春日家より本学へ寄贈されました。
附属図書館では『金光明最勝王経』全文を電子化し、画像を附属図書館Webサイト上で公開しています。電子化画像を通じて貴重な資料がひろく活用されるよう、今後も情報発信に努めるとともに、適切な環境で資料現物を大切に保存してまいります。皆様には一層のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
※1 日本にある有形文化財のうち、芸術上・学術上などの見地から、特に価値の高いものとして指定されるもの
※2 訓点…漢文を訓読するために、漢字の上や脇などに書き加える文字や符号
『金光明最勝王経』10巻
本文のデジタル化画像
訓点について
本文の間に見える白い文字や符号が訓点です。例えば、訓点が付された当時の訓読を、右のように復元することができます。
令和7年度中に、伊都キャンパスにて『金光明最勝王経』展示会を計画しています。どうぞご期待ください。
本件に関するより詳しい情報は、附属図書館Webサイトのニュースに掲載しています。
九州大学附属図書館 図書館企画課企画係
電話:092-802-2471
Mail:tokkikaku★jimu.kyushu-u.ac.jp
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