Notices お知らせ
国立大学法人九州大学(総長 石橋達朗、所在地 福岡県福岡市)と住友電装株式会社(代表取締役 漆畑憲一、所在地 三重県四日市市)は、2025年10月1日より九州大学マス・フォア・インダストリ研究所(所長 梶原健司、所在地 福岡県福岡市)内に共同研究推進拠点(「次世代ものづくりイノベーション推進拠点」)を設置しました。本拠点では、ものづくりの設計から生産、物流に至るまでの一連の事業プロセスの革新や最適化を目指し、次世代ものづくりに関する共同研究を強力に推進します。
概要
住友電装の主力製品であるワイヤーハーネス(注1)は、主に電線の束から構成されており、柔軟な形状を持つため、部品自体が変形しやすいという特性があります。このため、製造工程の機械化や自動化が難しく、多くの工程で人による手作業が必要とされてきました。こうした人手への依存による不確実性は、エンジニアリングチェーンやサプライチェーン全体に影響を及ぼし、抜本的な解決が求められています。
これらの課題に対応するため、本共同研究推進拠点では、短期および中長期の視点から、シーズの発掘や産業ニーズとのマッチングに豊富な経験を有するマス・フォア・インダストリ研究所のビッグデータ・AI・最適化などの数理情報技術を活用し、全学術分野を横断する学際的研究を推進します。この取り組みにより住友電装は事業・人材強化、大学活用のネットワーク構築、九州大学は学術的成果や専門的スキルの社会展開・実装、新規テーマ創出、若手高度数理人材のキャリアパス開拓がそれぞれ期待できます。
また今回、上記構想の実現のために独自の仕組み「スモールスタート・ステップアップモデル」を考案・導入し、「シーズ発掘→マッチング→共同研究」のプロセスを効率的に行います。これにより多様な学術分野との連携による研究をスピーディーに推進します。
九州大学と住友電装は、本共同研究推進拠点を通じて、ものづくりの未来を切り拓くイノベーションの創出と、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでまいります。
研究のアプローチと課題例
(注1)ワイヤーハーネス
自動車などに搭載される電装部品や制御装置を接続するための部品。人間に例え ると血管や神経に相当する。複数の電線、絶縁材、保護チューブなどで構成され、電力や信号を安全かつ確実に車内のすみずみにまで伝える役割を担う。
マス・フォア・インダストリ研究所
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