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I-ToFセンサの特性を考慮したノイズに頑健な符号化方式の提案

~自律ロボットや車載システムにおける3D認識の精度と安定性を向上~ 2026.05.28
お知らせ

九州大学大学院システム情報科学研究院の研究グループは、I-ToFカメラ(*1)におけるデプス計測精度(*2)を向上させるため、実用センサの制約を考慮した新しい符号化方式の設計手法を提案した。I-ToFカメラのデプス計測精度はレーザの変調関数とセンサの復調関数、すなわち符号化方式に大きく依存するが、従来手法は、理論的な外乱やノイズモデル、理想的なセンサを仮定しており、商用センサへの適用に課題があった。本研究では、実用的なノイズモデルに基づいてI-ToFの誤差を解析し、デプス推定値の分散に基づく新しい評価指標を導出し、さらに、ピーク光電力、帯域制限、バイナリ波形、複数タップの排他的動作といった実用センサのハードウェア制約を設計段階から組み込むことで、実装可能な符号化方式を探索した。シミュレーションでは、提案手法により得られた高SNR(*3)用・低SNR用の2種類の符号化方式が、従来代表的な符号化よりも低いMAE(平均絶対値誤差)を示すことを確認した。実機実験においては、240×240画素の3タップI-ToFカメラを用い、平面板や球、動物体などの対象を計測し、提案方式が高SNR・低SNRの双方で従来手法より安定した深度推定を実現することを確認した。特に動物体実験では、従来方式で15ms露光で計測した場合よりも、提案方式で5ms露光で計測した方が低い誤差とRMSE(標準偏差)を示し、ノイズ低減だけでなく高FPS(*4)化にも有効であることを確認した。

(参考図) 上段:ボールを投げているシーンを計測。従来手法ではボールの輪郭がボヤけているが、提案手法ではシャープである。 下段:シミュレーション結果。同じ条件で外乱ノイズを加えたが、提案手法では影響が少ない。

用語解説

(*1) I-ToFカメラ:間接Time-of-Flightの略。光が対象に当たって、センサに戻るまでの時間から距離を計測する。

(*2)デプス計測精度:カメラと対象物体との間の距離を計測する際の精度。

(*3) SNR:Signal Noise Ratioの略。ノイズの多さを表す指標

(*4) FPS:Frame per Secondの略。1秒あたりの計測回数。

研究者からひとこと

本手法は、実用I-ToFセンサ制約を考慮したうえで深度誤差を低減する符号化方式を設計するため、自律ロボットや車載システムにおける3D認識の精度と安定性を向上できる。特に、低SNR環境や動体撮影時でもノイズやモーションブラーを抑えられるため、より短い露光時間で高フレームレートな深度計測が可能になる。

Computer Vision & Graphics Laboratory HP: https://www.cvg.ait.kyushu-u.ac.jp/

お問い合わせ

システム情報科学研究院 教授 川崎洋
電話:092-802-3777
FAX:092-802-3777
Mail:info★cvg.ait.kyushu-u.ac.jp
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